―「病化」図― 身整式療法の実践から見た「病化」過程(病化―改善)

四つの病化因子

1精神的ストレス 2生活習慣 3加齢 4先天的因子

これらの健康を保つための平衡性が部分的に崩れたとき「病化」は起こる。

[1精神的ストレス 2生活習慣 3加齢 4先天的因子]病化因子

[第一段階](圧したくなる。撫でたくなる)

  • 眠りが浅い日が多くなる
  • 肩が凝る
  • 腰が強張るお通じがスッキリしない

など

1-1.腰痛・腰のこわばり・重い痛み(野球部)

1-2.調整後腰が軽くなてくる

(身整式は数回で結果が好転)

更に悪化進行すると

[第二段階](病院に行きたくなる。画像診断や血液検査で特に異常はない、対症薬処方)

  • 不眠、寝付けない
  • 自律神経失調症
  • 首の痛み、腕に痛みやしびれが出る
  • 腰痛(長く坐れない、起居動作に違和感)
  • 便秘、膝の痛み(階段、辛くなる)

など
この段階で椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の診断が出てしまうことがある。(整骨整体で改善例があるのはこのレベル)
手術の必要はないX腺
薬を飲めば日常生活可能

2-1.頭痛薬を週に2,3度服用しながらデスクワーク。最近めまいが出るように

2-2. 調整後頭痛が減る

2-3.不眠・胃痛(自律神経失調症ともいわれた)

2-4.よく眠れるように

2-5.食欲が出てくる。仕事疲れが軽くなる

2-6.膝の痛みで正座難に

2-7.膝の痛みで正座難・全身写真で見る、重心の不和・上体が右に傾く

2-8.膝の痛みで正座難・前屈位での体の歪み

2-9.真っ直ぐ立てるように

2-10.前屈位の歪みが減る

2-11.正座ができるようになってくる

(身整式では一週間から一か月で結果が好転)

更に悪化進行すると

[第三段階](画像検査で問題が出る、日常生活に支障が出る、手術が検討される)

  • 不安障害、うつ、パニック障害、摂食障害など
  • 頸椎症(椎間板ヘルニアなど)
  • 腰痛(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症が確認される)
  • 股関節・膝関節の変形

→対症的な手段では間に合わなくなる。
(身整式で、3カ月から半年で生活に支障がないレベルに至る例は多い)

3-1.腰椎椎間板ヘルニア、ひどい左坐骨神経痛

3-2.調整後歩きやすくなってくる

3-3.腰椎椎間板ヘルニア・右坐骨神経痛が正座すると更に痛む

3-4.腰椎椎間板ヘルニア、調整後正座が楽になる

※スポーツ障害の場合

「痛みを取る」―という発想の対症療法では、進行していく各段階を、改善の方向に戻すことにはなりません。
どうしても感覚的に「痛みが消える」「症状が消える」ことが治癒と捉えがちですが、症状を追っても、これは結果に振り回されているだけあって、根本的な因果関係を正しているとは言えません。ゆえに[第一段階]で揉んだり圧したりして、その場凌ぎをすることは根本的な方法ではありません。

また[第二段階]で痛み止めや対症薬に頼っていることも根本的ではないのです。

この「病化」図を理解することで治癒反応がどのように起こるのか考えることが重要です。

1「構造上の機能」を改善する。2食生活を見直す。3体に合った体操をしてよく歩く。

―薬を飲むよりこれらの方が身体の根本を正すことになっている。

1痛いから痛み止め。2眠れないから眠れる薬。

これらは対症的、二極化的な発想です。治る、治らない、痛い、痛くない、と問答するほど、問題の根本が分からなくなります。

「三次元的な生理作用改善」によって身体は、治癒反応(改善方向)へ向かうのです。

現代の病理学を学んだものにとって、この「病化」の図は違和感があるかも知れません。なぜなら「病理学」は、病変という結果から遡って見ていく学術だからです。「循環障害、炎症、腫瘍、血行性病変、退行性病変、免疫、内分泌系―腺の異常」という結果的な「病変」状態から逆行して捉え、因子を探るのが病理学。この見方から始まるのは、腫瘍や血液検査の数値の悪化(病変の発生)が、ほとんど自覚症状なく進行するため、明らかな異常を示す検査結果によって確認できた病変から遡って探る訳です。

つまり一般的視点からは意外に思われるかもしれませんが、感覚(自覚)は、病因と無関係に見られることが多いということです。

これは臓器は感覚が鈍いということであり、自覚症状が出たときはそれなりに進行していることもあるということです。

一方、構造を支持する「」は感覚が鋭いため、早期から自覚症状が現れるのです。

この病理学的探究は、その逆行過程が多角的(三次元的)でなく、主な一つの系統に絞って行われているということに注意が要ります。

「病化」は医学的な検査結果から逆行せず、構造における総合的な機能不和(抗重力―重心制御作用の不和)から「構造機能異常」を検知観察し、その経過を捉えています。

総合因子から見るというのは、対象の構図から多角的に見る方法で、ある意味、文系的な思考方法であり、細部に分析していく理系的な思考順序ではありません。文系は全体(構図)から理系は細部から見る特徴があり、これらは専門化するほどその性格を強くしていきます。